Windows 7上でRuby/Tkを使ってPlotchart
はじめに
以前の記事で書いたコードがWindows 7でも動くようにします。
Ruby 2.1.5のインストール
RubyのWindows版バイナリは何種類かありますが、今回はRubyInstaller for Windowsを使います。現時点の最新であるRuby 2.1.5をC:\Ruby21
にインストールしますが、その際、下記のように「Tcl/Tkサポートをインストールする」に必ずチェックを入れます。加えて、「.rbと.rbwファイルをRubyに関連づける」にチェックを入れておくと、Rubyスクリプトをダブルクリックするだけで実行できて便利です。
ActiveTclのインストール
RubyInstaller for WindowsのRuby 2.1.5に付属のTcl/Tkは8.5なので、ActiveTclのWindows (x86) 8.5.17.0をC:\Tcl
にインストールしました。その後、こちらのサイトをマネさせていただいて、C:\Ruby21\lib\ruby\2.1.0\tkextlib\setup.rb
に以下を追記しました。
['C:\Tcl\lib\teapot\package\tcl\lib', 'C:\Tcl\lib\teapot\package\win32-ix86\lib'].each do |dir| TkPackage.add_path(File.expand_path(dir)) end
これでRubyからActiveTclの拡張が使えるようになりました。
Plotchartのインストール
ActiveTclにはPlotchartが含まれていないので、コマンドプロンプトから下記のように追加します。
C:\Users\hoge>teacup install Plotchart
これでRuby/TkでPlotchartが使えるようになりました。
実は、PlotchartをインストールするためにActiveTclに含まれているteacup
が必要なだけだったので、この後ActiveTclをアンインストールしても、RubyInstaller for Windows付属のTcl/Tkだけで、Plotchartが使えたりします。
実行結果
以下のように、以前の記事で書いたコードがそのままWindows 7で動きました。
最後に
ちょっとしたツールをRuby/Tkで作ってWindows利用者に配布したかったのですが、上記のような作業を皆にやってもらうのは大変なので、ocraを試したいと思います。
VirtualBox上のFreeBSD 10.1でホストのOSX Yosemiteとsshfsでファイル共有
はじめに
OSX Yosemite上のVirtualBox内にFreeBSD 10.1を入れました。早速
$ pkg install virtualbox-ose-additions
として、virtualbox-ose-additions
をインストールしましたが、現時点で「共有ホルダー」は使えないようです。(ここで開発中らしいです。期待しています。)
そこで、sshfsでOSX YosemiteのフォルダをFreeBSDにマウントしたのですが、ちょっとてこずりました。以下、手順メモです。
OSX Yosemiteでリモートログインを有効にする
これが無いと始まりません。「システム環境設定」→「共有」→「リモートログイン」にチェックを入れます。
VirtualBoxの設定
下記のように、外部との通信用の「アダプター1」(NAT)に加えて、OSX Yosemiteとやりとりするための「アダプター2」(ホストオンリーアダプター)を追加します。
FreeBSD 10.1の設定
fusefs-sshfsのインストール
$ pkg install fusefs-sshfs
/boot/loader.confの編集
FUSEを有効化する。
fuse_load="YES"
/etc/rc.conf
にfusefs_enable="YES"
とするという記事を見かけますが、変わったようです。(参考)
/etc/sysctl.confの編集
ユーザランドでマウントが利用できるようにする。
vfs.usermount=1
/etc/rc.confの編集
ifconfig_em0="DHCP" ifconfig_em1="inet 192.168.56.203 netmask 255.255.255.0" vboxguest_enable="YES" vboxservice_enable="YES"
em1
が「アダプター2」(ホストオンリーアダプター)です。OSX Yosemiteのvboxnet0
が192.168.56.1
なので、適当に192.168.56.203
の固定アドレスを設定しました。
/etc/groupの編集
operator:*:5:root,[自分のアカウントを追記]
やっとマウント
FreeBSDを一旦再起動して、ログイン後
$ mkdir hostdir $ sshfs -o idmap=user 192.168.56.1: hostdir
とすると、パスワードを聞かれるので入力します。うまくいけば、OSX Yosemiteのホームディレクトリがhostdir
にマウントされて、読み書きできるようになるはずです。
最後に
かなり前にFreeBSD(98)をいじって遊んだことがあるので、いろいろなつかしいです。
OSX Yosemiteにrbenvとruby-buildでRuby 2.2.0を入れる時のconfigureオプション
自分がOSX Yosemiteにrbenvとruby-buildでRuby 2.2.0を入れる時のconfigureオプションを、覚え書きとして残しておきます。
$ RUBY_CONFIGURE_OPTS="--enable-pthread --enable-shared \ --with-readline-dir=`brew --prefix readline` \ --with-openssl-dir=`brew --prefix openssl` \ --with-libyaml-dir=`brew --prefix libyaml` \ --with-opt-dir=`brew --prefix gdbm`:`brew --prefix gmp`:`brew --prefix libffi`" \ rbenv install 2.2.0
見ての通りHomebrewでreadline、openssl、libyaml、gdbm、gmp、libffiを入れて、それらを使うようにしています。
Tcl/Tkに関するオプションは何もありませんが、Ruby/TkでOSX Yosemiteに入っているTcl/Tk 8.5が普通に使えました。
Ruby/Tkで少しだけインタラクティブなグラフを表示する
はじめに
以前書いたように、Ruby/TkとPlotchartでグラフを表示できるのですが、それだけではつまらないので、ちょっとだけマウスと連動させてみます。
コード
#!/usr/bin/env ruby # -*- coding: utf-8 -*- require 'csv' require 'tk' require 'tkextlib/tcllib/plotchart' # plotchart.rb を修正するモンキーパッチ module Tk::Tcllib::Plotchart class XYPlot def pixel_to_coords(x, y) list(tk_call_without_enc('::Plotchart::pixelToCoords', @path, x, y)) end end end # データを読み込み en, cn = CSV.parse(DATA).map { |r| [r[0].to_f, r[1].to_i] }.transpose # データをプロット pl = Tk::Tcllib::Plotchart::XLogYPlot .new([0, en.size, 10**Math.log10(en.size).floor], [1, 10**Math.log10(cn.max).ceil], width: 600, height: 400) do title 'Spectrum' xtext 'Channel' ytext 'Counts/Channel' dataconfig('series1', color: :red) cn.each_with_index { |c, i| plot('series1', i, c) } pack(fill: :both) end # マウスカーソルの位置の値を表示 label = TkLabel.new.pack pl.bind(:Motion, '%x %y') do |x, y| ch = pl.pixel_to_coords(x, y)[0].to_i if 0 <= ch && ch < en.size label.text(sprintf('%10d ch, %10.1f keV, %10d counts', ch, en[ch], cn[ch])) end end # イベントループ Tk.mainloop __END__ 32.78,1074 62.72,12131 92.70,13944 122.72,13110 152.79,11859 182.90,13204 213.05,11647 243.24,8780 273.47,7412 303.75,6632 334.07,6460 364.43,6369 394.83,6503 425.28,6566 455.76,5250 486.29,2766 516.86,1574 547.48,1062 578.13,914 608.83,3532 639.57,15018 670.35,18992 701.18,6495 732.04,660 762.95,177 793.90,157 824.89,134 855.93,154 887.00,131 918.12,124 949.28,129 980.48,113 1011.73,96 1043.01,103 1074.34,112 1105.72,92 1137.13,95 1168.58,86 1200.08,85 1231.62,66 1263.20,50 1294.83,29 1326.49,40 1358.20,33 1389.95,47 1421.74,93 1453.57,111 1485.45,67 1517.37,41 1549.33,19 1581.33,17 1613.38,11 1645.46,13 1677.59,18 1709.76,15 1741.98,10 1774.23,6 1806.53,13 1838.87,15 1871.25,11 1903.67,6 1936.14,8 1968.64,6 2001.20,8
実行結果
OSX Yosemiteで実行した結果です。下記のように、マウスカーソルの位置の値がグラフの下に表示されます。
Ruby 2.2.0同梱のplotchart.rbのバグ
グラフ内におけるマウスカーソルの座標を取得するためにTk::Tcllib::Plotchart::XLogYPlot#pixel_to_coords
を使ったのですが、Ruby 2.2.0 同梱のplotchart.rb
にはバグがあるので、下記のようにモンキーパッチを当てています。
module Tk::Tcllib::Plotchart class XYPlot def pixel_to_coords(x, y) list(tk_call_without_enc('::Plotchart::pixelToCoords', @path, x, y)) end end end
既に修正が本家に取り込まれたようなので、そのうち必要なくなると思います。
最後に
Ruby/TkとPlotchartさえ入っていればWindowsでも動きます。しかし、WindowsはPlotchartを使えるようにするまでがちょっと面倒でした(こちらに書きました)。
Ruby 2.2.0でRuby/TKを使えるようにするconfigureオプション
はじめに
rbenvとruby-buildでそのままRuby 2.2.0を入れると、たいていRuby/Tkが使えないので、configureオプションを設定します。ちなみに、こちらのパッチは必要無くなったようです。
Debian SidやUbuntu 14.10 (64bit)の場合
$ apt-get install tk-dev $ RUBY_CONFIGURE_OPTS="--with-tcltkversion=8.6 \ --with-tcl-lib=/usr/lib/x86_64-linux-gnu \ --with-tk-lib=/usr/lib/x86_64-linux-gnu \ --with-tcl-include=/usr/include/tcl8.6 \ --with-tk-include=/usr/include/tk8.6 \ --enable-pthread --enable-shared" \ rbenv install 2.2.0
FreeBSD 10.1の場合
$ pkg install tk86 $ RUBY_CONFIGURE_OPTS="--with-tcltkversion=86 \ --with-opt-dir=/usr/local \ --with-tcl-include=/usr/local/include/tcl8.6 \ --with-tk-include=/usr/local/include/tk8.6 \ --enable-pthread --enable-shared" \ rbenv install 2.2.0
最後に
iCloudのどこでもMy MacでMosh (mobile shell)を使う
はじめに
iCloudのどこでもMy Macを使うと、こちらで紹介されているように、出先から自宅のMacにSSHでログインできます。今回はさらに「SSHよりも高速」というMoshを、どこでもMy Macで使えるようにします。Moshの仕組みについては、こちらが詳しいです。
Moshのインストール
サーバとクライアントの両方のMacにMoshの最新版をインストールします。Homebrewを使えば簡単です。
$ brew install --HEAD mosh
これでSSHで接続する時と同様にクライアントから
$ mosh hoge@fooMac.999999999.members.btmm.icloud.com
などとすれば、サーバに接続できそうな気がするのですが、
/usr/local/bin/mosh: Could not resolve hostname fooMac.999999999.members.btmm.icloud.com ssh_exchange_identification: Connection closed by remote host /usr/local/bin/mosh: Did not find remote IP address (is SSH ProxyCommand disabled?).
と言われてうまくいきません。そこで、こちらに書かれているようにクライアント側のmosh
コマンドを以下のように修正します。1行加えるだけです。
--- /usr/local/opt/mobile-shell/bin/mosh.orig 2014-12-05 13:18:17.000000000 +1100 +++ /usr/local/opt/mobile-shell/bin/mosh 2014-12-05 13:23:49.000000000 +1100 @@ -36,6 +36,7 @@ use strict; use Getopt::Long; use IO::Socket; +use IO::Socket::INET6; $|=1;
これで
$ mosh -6 hoge@fooMac.999999999.members.btmm.icloud.com
とすれば、サーバに接続できるようになりました。
OSXにHomebrewで入れたnkfでman nkfするとfatal error: invalid device `nippon'と言われるのをなんとかする
はじめに
OSX YosemiteにHomebrewでnkfやw3mなどを入れているのですが、
$ man nkf
とすると
/usr/bin/groff: can't find `DESC' file /usr/bin/groff:fatal error: invalid device `nippon'
と言われて表示できません。しかし、こちらで紹介されている通りにやると、nkfのmanを日本語で閲覧することができました。
Homebrewでgroffをインストール
こちらで紹介されている通りに、Homebrewでgroffをインストールします。
$ brew tap homebrew/dupes
$ brew install groff
/etc/man.confの修正
$ sudo -e /etc/man.conf
で以下のように修正します。
--- /etc/man.conf.orig 2014-09-10 09:16:35 +++ /etc/man.conf 2014-12-03 22:10:24 @@ -92,7 +92,7 @@ # TROFF /usr/bin/groff -Tps -mandoc -c NROFF /usr/bin/groff -Wall -mtty-char -Tascii -mandoc -c -JNROFF /usr/bin/groff -Tnippon -mandocj -c +JNROFF /usr/local/bin/groff -Dutf8 -Tutf8 -mandoc -mja -E EQN /usr/bin/eqn -Tps NEQN /usr/bin/eqn -Tascii JNEQN /usr/bin/eqn -Tnippon @@ -102,8 +102,8 @@ PIC /usr/bin/pic VGRIND GRAP -PAGER /usr/bin/less -is -BROWSER /usr/bin/less -is +PAGER /usr/bin/less -isr +BROWSER /usr/bin/less -isr HTMLPAGER /bin/cat CAT /bin/cat #
これで
$ man nkf
とすると
nkf(1) nkf(1 NAME nkf - ネットワーク用漢字コード変換フィルタ SYNOPSIS nkf [-butjnesliohrTVvwWJESZxXFfmMBOcdILg] [file ...] DESCRIPTION nkf はネットワークでメールやニュースの読み書きをするために作られた、漢字コードの変換フィルタであ る。 ...
このように日本語で表示されるようになりました。
w3mのmanをUTF-8に変換
ところが、
$ man w3m
とすると文字化けします。/usr/local/opt/w3m/share/man/ja/man1/w3m.1
がEUCなのが原因なので、UTF-8に変換します。
$ nkf -w --overwrite /usr/local/opt/w3m/share/man/ja/man1/w3m.1
これで、w3mのmanも読めるようになりました。